1854年(安政元年)にペリーが日米和親条約締結のために浦賀に来航した際、洋傘が持ちこまれ、世間の注目を浴びたと言われる。
1872年(明治5年)に洋傘製造会社が組織され、東京の職人たちの手により東京洋傘の本格的な生産が始められた。
骨屋、手元屋、生地屋、それらを組み立てる洋傘職人による分業で行われる。
一切の妥協を許さず、手間を惜しまない職人により作り上げられた東京洋傘には、均一でバランスのとれたフォルムを追求するが故に編み出された高い技術を要する東京独自の縫製技法や、使う者の使い心地を高めるための職人の細やかな心遣いも散りばめられている。 装飾的な美しさと機能性を兼ね備えた東京洋傘は、雨傘としても日傘としても大きな役割を果たす。
雨の日は雨傘を、日差しの強い日は日傘を使用することで、天候による憂鬱な気分を喜びに変え、我々の心を豊かにする。
東京洋傘は東京都が2018年3月22日に指定した伝統工芸品です。
東京の伝統工芸品とは、時代を越えて受け継がれてきた伝統的な技術と技法によってつくられたもので、現在41品目が指定されています。
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